ノドの左右にある扁桃(いわゆる扁桃腺)と呼ばれる部分に細菌が感染し、炎症がおこります。 扁桃は、口から体の中に侵入してくるウイルスや細菌から、体を守る“免疫”の役割を果たしています。しかしながら、風邪や疲労、ストレス、気温の急激な変化、ノドの乾燥によって免疫が落ち、扁桃に付着したウイルスや細菌が増えると、炎症を起こし更に腫れてしまいます。
原因となる菌は溶連菌や黄色ブドウ球菌、肺炎球菌などです。症状としては、39~40℃の高熱や悪寒、食べ物を飲み込んだ際の痛み、扁桃が赤くなることと腫れなどが起こります。 また、炎症が広がると扁桃周囲炎を起こしたり、繰り返して慢性扁桃炎となったりします。
細菌感染による扁桃炎の場合は数日間抗生剤を服用することで回復が見込まれます。 ただ、症状が風邪に似ているので、治るだろうと放置してしまう人が多く、その結果重大な状態になってしまう可能性があります。 発熱や扁桃が腫れるなどの症状が現れ、風邪薬を飲んでもよくならない場合は、早めに専門医へ相談することがおすすめです。
ノドの痛みが強いので、食事や水分をとる際も痛みが生じることがあります。ただ、脱水症状をおこさない為にも水分は必ず取るようにしてください。 抵抗力を落とさない為に、過労やストレスには気をつけ、十分な睡眠、栄養のある食事をしっかり摂りましょう。 また、飲酒、喫煙は控え、のどを乾燥させないようにうがいを行いましょう。
扁桃炎が頻回に起こる場合、扁桃を取り除く手術をした方がいいと聞いたことがある方もいるかもしれません。
以前は手術を行うことも度々ありましたが、現在は必要以上に手術を行うことはよくないという考え方が主流です。
症状を頻繁に繰り返す場合、扁桃を取り除く手術も選択肢の一つではあるので、医師とよく相談してみてください。